
自然と共存するチカラ 俵山から広げる【けものみちプロジェクト】
長門市地域おこし協力隊
地域おこし協力隊をご存知ですか?
地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。
引用:地域おこし協力隊
今回は、俵山を中心に活動している「長門市地域おこし協力隊」の中野さんが活動の一環として立ち上げた「けものみちプロジェクト」をご紹介します。
自然と共存するということ

撮影/7daysスパイス
「けものみちプロジェクト」は、2017年1月に狩猟免許を取得してハンター活動を開始された中野さんが立ち上げたプロジェクトです。
自然に囲まれて生活している俵山の方々にとっては、畑を荒らす害獣のシカやイノシシ。俵山は、特にシカが多いらしく、農作物をきれいに食べてしまうことで農家の方にとっては天敵のようです。

写真はイメージです
クマやイノシシは何となく「こわい」と言うイメージから、害があるという事に抵抗なく結びついていたのですが、シカと言えば観光地に行って「シカせんべい」をあげることでしか接点のなかった私にとって、シカが生活に「害」を及ぼしているという事は、考えもしませんでしたが、ココレコレシピにもご協力いただいている「ベジふるトレイン」河野八千代さんのfacebookにも、シカが天敵だと載っていました。(2017年6月14日の記事)
「害獣」から学ぶ いのちの尊さ
2018年3月に長門市のルネッサながとで開催されていたイベントでは、ご自身で捕獲した害獣の毛皮や骨を展示し、流暢で温かみのある話口調で説明をしている姿がとても印象的でした。

撮影/7daysスパイス
シカ(イノシシも)は猟をして解体した後、ジビエ肉として食すことができますが、毛皮やツノ、牙などは廃棄処分するしかないそうです。その廃棄するしかない部分をしっかりと活用しようというのが中野さんの考えでした。

撮影/7daysスパイス
害があるから、ただ動物を殺すということが猟ではなく、動物に敬意を払いながら現実と向き合っていくということが猟なのです。中野さんからは「いのちをいただいている」からこそ「いのちを大切にする」という熱い想いが伝わってきます。
個性あふれるアーティストとの融合
その日のイベントでは中野さんの想いに賛同したアーティストの方が、俵山のシカ革やツノや長門のイノシシ革や牙を素敵なアイテムに変身させ並んでいました。とても個性的で実用的、しかも老若男女を選ばないデザインは動物のやさしさと人間のぬくもりが相まって仕上がったもののように感じました。
猟をすること、それを活かすことのお話を聞いた後に商品を見ると、その尊さと深みをさらに感じることができた気がします。

撮影/7daysスパイス
毛皮も人気が高いらしく、そのままインテリア用に購入される方もチラホラと…。
暖炉とロッキングチェアーがあるのんびりとした暖かかい空間が頭にイメージできるような毛皮は、右の夏毛は斑点が特徴で毛足が短く、左の冬毛はダークな色で毛足は長めでした。「冬は寒いから毛も長くなるんですよ」と教えていただきました。
今回は、とても貴重なキツネの毛皮も展示されており、こちらは驚くほどやわらかく、ふわふわとしていました。

撮影/7daysスパイス
このキツネは猟で得たものではなく、交通事故に合って息を引き取っていたキツネだそうです。
中野さんは、ご自身で狩るだけでなく、道路で倒れている動物のためにも活動されています。倒れている動物を見たら避けることしかできない人がほとんどですが、そのように動いている方がいるということも忘れてはいけないですね。
俵山の未来
中野さんは、「俵山の現状をしっかりと見つめながら、未来へつながる活動に思考をめぐらせ行動に移している」そんな方でした。

撮影/7daysスパイス
想いは熱く、話は面白い!そんな中野さんが活動している「けものみちプロジェクト」の未来はとても明るく楽しいもののような予感がします。
使ってみました。

「けものみちプロジェクト作品」撮影/7daysスパイス
中野さんの作品、シカの革のクロスは手触りがよく、さっと一拭きするだけで余分な皮脂だけをとり、ホコリが残らないので、眼鏡ふきやスマートフォンの画面を拭くのに最適です。

ふきとり before/after
画面がとてもピカピカになりました。
クロスのかわいいシカのマークは中野さんお手製の印判で、俵山のシカの革「俵山DeerSkin」にだけついていました。俵山ブランドですね!

「ラナンキュラスさんの作品」撮影/7daysスパイス
こちらは、長門産のイノシシの革が使われているヘアアクセサリーです。「ラナンキュラス」と言うお名前の作家さんが作られた商品でした。
イノシシの革は表面が少しザラっとしていますが、クセのない匂いでとても柔らかく、髪にとめるときもスッと馴染むように止めることができました。普段使いにも、お出かけの際にもさっとつけることができるので、この先長く重宝しそうです。
とってもステキな手作りの作品たちは、長門市内のイベントにまた顔を出してくれます。その時がとても待ち遠しいです。 これからも、ココレコレシピは「けものみちプロジェクト」を追いかけたいと思います。